塩を摂らないとどうなる?健康への影響を解説します。

塩分は人間の健康維持に不可欠な要素であり、心臓機能のサポートや血液の浄化など、体内システムの正常な作動を支える重要な役割を果たしています。この記事では、生命維持に欠かせない塩分の重要性に焦点を当て、その体内での役割について詳しくご紹介します。

塩の重要性とは?

塩はヒトにとって最も重要な成分です。塩は体内ではナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれて存在しています。この2つのイオンが体内に存在することで様々な機能を持っています。

  1. 細胞を正常に保つ
  2. 栄養の吸収や消化を助ける
  3. 脳や体に情報を伝える

1つずつ見ていきましょう。

細胞を正常に保つ

細胞の健康を維持するために、塩分の役割は非常に重要です。塩分によって細胞内と細胞外の圧力(浸透圧)の調整を行います。この調整によって、酸素や栄養素が全身の細胞に効率よく運び、同時に二酸化炭素や老廃物の排出を促進することで細胞は最適な環境下で活動を続けることができます。

栄養の吸収や消化を助ける

塩化物イオンは胃酸の主成分で、胃で食べ物を殺菌したり、消化を助けたりしています。また、ナトリウムイオンは、小腸で「アミノ酸」や「ブドウ糖」などの栄養素が細胞膜を通過し、体内に吸収される過程をサポートすることで、健康を維持しています。

脳や体に情報を伝える

私たちが身体を動かす時、脳からの命令が電気信号として神経細胞を伝わっていきます。この電気信号を伝える働きをするのが、塩の成分であるナトリウムイオンです。神経細胞は、ものを触ったときなどの刺激を脳に伝えたり、脳から体を動かすように筋肉に命令を伝えたりしています。このナトリウムイオンは、神経細胞が刺激や命令を伝えるときに必要です。

塩が体に与える影響とは?

ヒトの体は体内の塩分濃度を一定に保とうとする働きがあります。そのため、塩分をとりすぎると同時に水分を溜め込み、水太りやむくみ等の症状を発症します。逆に体内の水分も同時に失っていきます。その結果、血圧低下、立ちくらみ、倦怠感、精神不安定、眠気、脱力感などの脱水症状を起こします。

塩の摂取量の目安とは?

1日の食塩摂取量の目安は男性7.5g未満、女性6.5g未満、高血圧の予防・治療を行なっている方は6g未満です。しかし、平成30年での調査によると、食塩摂取量の平均値は男性11.0g、女性9.3gと大幅に超えています。そのため、日頃の食生活では大いに意識して過ごす必要があります。

塩分摂取量を減らす方法とは?

段階的に塩分量を減らす

突然塩分量の少ない料理を食べてしまうと味の薄い料理に満足感が得られず、すぐにやめてしまいます。毎日の食事の塩分量を計測し、少しずつ塩分の量を減らしていくことによって体を慣らしながら減塩生活を行いましょう。

減塩商品を使う

現在、コンビニやネットでも減塩商品が販売されています。普通の食事と大きく変わりませんが、塩分量が抑えられたものになっているので、毎日の食事の減塩効果があります。1食の塩分量が1~1.3g以下の減塩のレトルト食品もあるため一人暮らしの方へ料理が大変な方は利用してみるのも良いでしょう。

塩分ファスティングを行う

塩分ファスティングは3日間塩分を取らずに過ごすプログラムです。3日という短い期間ですが、塩分を全く取らないことによって、塩分に慣れきった舌をリセットして食材本来の味を楽しめるようになります。そうすることで、塩分が少ない料理にも楽しめるようになります。副次的な効果として体重減少、高血圧対策、むくみ対策にもなるので、短期間で改善したい方にはおすすめです。

※塩分は人にとって大事な成分のため、塩分ファスティングは3日以上は続けない。体調不良が起きた時には塩分を摂取してください。

まとめ

塩は人が生きていくためには大切な成分です。塩分の摂取量が少なくても多すぎても体に影響が出てしまいます。適切な量を摂取しながら生活をしていくことで健康的に生活しましょう。

また、普段の食事の塩分を少しずつ抑える、もしくは塩分ファスティングで舌をリセットさせることで健康的に塩分の摂取量を抑えていきましょう。