ダイエットの新常識5:「塩は大切」を免罪符にしない
体内に300gもの塩分が存在している理由
人間の体重の約60%は水分で、その水分は真水ではなく「0.9%の食塩水」です。これが、私たちの体内において塩分が重要な役割を果たしている理由です。
例えば、体重50kgの女性の場合:
- 体液量:50kg × 60% = 30kg
- 塩分量:270g
- 水分量:29.73kg
これほどの塩分が常に体内に存在しています。一方で、摂り過ぎた塩分は尿や汗として排出されると言われていますが、排出されなかった塩分はどうなるのでしょうか?その答えは、塩分が水分とともに「体液」として存在するという事実にあります。
塩分と水分は一体化して体内に存在する
塩分、つまりナトリウムは、単独で体内に留まることはありません。常に水分と一緒に存在し、体液(血液や細胞外液)に溶け込んでいます。この塩分と水分の関係が、「むくみ」や「体重増加」に直結しているのです。
摂取した塩分の一部は排出されますが、排出されずに体内に留まった塩分は、【1:111の法則】に基づいて水分を引き寄せます。つまり、1gの塩分が100g以上の水分を伴って「食塩水」として体内に残ります。このため、塩分過多はむくみや体重増加の原因となるのです。
「塩は大切」という意識が生む落とし穴
「塩は大切な栄養素だ」という認識は正しいですが、それを言い訳にして塩分摂取を正当化していませんか?確かに、塩分は以下のような重要な役割を果たしています:
- 水分調整:体内の水分バランスを維持する。
- 電解質バランス:細胞の浸透圧を調整し、正常な水分移動を促す。
これらの役割がなければ私たちの生命維持は難しいでしょう。しかし現代社会では、ほとんどの人が塩分を過剰に摂取しています。そのため、私たちは塩分不足を心配する必要はありません。むしろ、塩分過剰のリスクに注意を払うべきです。
「体に良い塩」の正しい理解
世の中には「健康に良い」とされる塩が数多く存在します:
- ヒマラヤ岩塩
- 天日塩
- 海塩
- ケルト塩
- フルールドセル(塩の花)
これらは確かにミネラルが豊富で、精製塩に比べて栄養価が高い塩です。しかし、「良い塩」だからといって摂取量を増やしても安全とは限りません。過剰摂取すれば、むくみや体重増加といった問題は同じように引き起こされます。
「健康に良い塩」は、あくまでも精製塩に比べて良い選択肢であるということを理解し、摂取量を適切にコントロールする必要があります。
日本人の塩分摂取量は基準値を大幅に超えている
厚生労働省の調査によると、日本人の1日あたりの食塩摂取量は以下の通りです:
- 男性:10.9g
- 女性:9.3g
一方、WHO(世界保健機関)が推奨する基準は1日5g未満です。この基準と比較すると、日本人の塩分摂取量は約2倍です。つまり、私たちの多くは「塩分過多」の状態にあります。
よくある反論として「日本食はもともと塩分が多いから仕方ない」という意見があります。確かにそれは事実ですが、それを理由に対策を怠れば、むくみや体重増加といった問題は解決しません。
「塩分を半分にする」シンプルな目標
塩分摂取量を半分に抑えるだけで、WHOが提唱する基準に近づくことができます。具体的には、味付けを薄くしたり、加工食品を控えることが効果的です。
塩分を減らすことには、以下のようなメリットがあります:
- 体内の余分な水分を減らし、むくみを解消
- 糖質や脂質の摂取量も自然に減らせる
塩分をコントロールすることで、体重や体型だけでなく、健康全般にも良い影響が期待できます。
まとめ:塩分との付き合い方を見直そう
塩分は私たちの体にとって欠かせない存在ですが、過剰摂取はむくみや体重増加の原因となります。「塩は大切」という考えを見直し、適切な量を意識することが重要です。
塩分摂取を控えることで得られるのは、軽やかな体だけではありません。新たな健康習慣を手に入れ、毎日をスッキリとした気分で過ごせる未来が待っています。
あなたも今日から、「塩分を半分に」を目標にしてみませんか?
※著者より:
本文中で記載している「塩の量÷水分の量=0.9%」については、正確にお伝えすると「塩の量÷(塩の量+水分の量)=0.9%」となります。小学校で習う食塩水の公式です。しかし、「塩の量÷(塩の量+水分の量)=0.9%」という表記では非常に分かりにくく、本質を掴むために敢えて「塩の量÷水分の量=0.9%」と記載をしています。本記事中の食塩水濃度の記載は全てこの記載方法を取っております。悪しからずご了承下さい。
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【塩分ファスティング(とこわか式塩抜きダイエット)】
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・食べても痩せるダイエット法
・3日(もしくは2日)間、塩分を一切摂取しない日々を実践。
・1日3食しっかり食べ、水分も摂取。塩分だけをカット。食欲は我慢しない。
・その後、味覚・体型・心境の変化を確認。以前とは異なり、塩分量をケアしながら生活できるようになっている為、あなたはリバウンドしにくい味覚へと変化。